ガソリン補助金、12月から段階的縮小 基準価格を毎月5円ずつ引き上げ、電気・ガス代は冬に補助

夕暮れ時の日本のガソリンスタンド

ガソリン価格を抑えてきた政府の補助金が、いよいよ縮小に向かう。高市早苗首相は29日、ガソリンの基準価格(現在は1リットル170円程度)を12月から毎月5円ずつ段階的に引き上げる方針を示した。読売新聞などが報じた。同時に、冬の家計対策として電気・ガス代の補助も発表された。

何が決まったのか

政府は2022年以来、全国平均のレギュラーガソリン店頭価格を1リットル170円程度に抑えるため、石油元売り各社に補助金を出してきた。今回、その価格目標を12月から毎月5円ずつ段階的に引き上げる。目標が上がれば補助単価は下がり、財政負担は軽くなる。ただし終了時期は示されておらず、原油価格の動向を見ながら判断するという。

同時に、12月から2027年2月使用分の電気・ガス代を補助することも決めた。電気は12月が1キロワット時あたり1円、2027年1月と2月は各4.5円で、標準的な家庭で3か月合計およそ7000円の負担軽減が見込まれる。財源には2026年度補正予算で確保した2兆5000億円の「中東情勢等対応予備費」を充てる。

なぜ今、縮小なのか

理由は財政負担の膨らみだ。足元の補助単価は1リットル52.4円と制度開始以来の最大となり、1日あたり100億円を超えるペースで支出されている。高市政権下ではすでに1兆4000億円を補助に費やし、補助の原資となる基金は11月にも底をつく見通しだ。

背景には中東情勢の緊迫化がある。2月に米国とイスラエルがイランを攻撃し、ホルムズ海峡が事実上封鎖されたことで原油高が加速した。補助は2026年3月に再開されたばかりだったが、10月27日時点でブレント原油は1バレル113.88ドルと6か月ぶりの高値圏にある。

家計への影響は

段階的な引き上げにより、店頭価格は少しずつ市場価格に近づいていく。急激な値上げは避けられるが、家計の負担は確実に増す。寒冷地では灯油代の負担も大きく、電気・ガス補助との組み合わせがどこまで効果を持つかが注目される。

与野党からは補助の見直しを求める声が上がっていた。首相は「あくまでも(価格高騰の)激変緩和措置だ」として、持続可能な制度への移行に理解を求めた。補助縮小と冬の家計支援を両立させる今回の決定が、暮らしにどう響くのか。12月以降の価格動向に注目したい。

冬の夜に暖かい光のともる家庭のキッチン

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