日本郵便は11月4日、国際宅配便「UGX(ゆうグローバルエクスプレス)」で使う送り状作成システムなどがサイバー攻撃を受けたと発表した。システムを提供する出資先の国際物流事業者が同日正午からシステムを緊急停止したため、UGXの一部のサービスで発送ができなくなっている。復旧は11月10日をめどとしている。何が起きたのか、どのサービスが使えなくなっているのかを解説する。

何が起きたのか——送り状システム「Hubez」に不正な攻撃
攻撃を受けたのは、UGXの送り状作成システム「Hubez(ハブイージー)」と関連システムだ。日本郵便が出資する香港の国際物流事業者レントングループが提供している。日本郵便の発表によると、対象システムに不正な攻撃があったことが確認され、レントングループは11月4日正午以降、システムを緊急停止してメンテナンスに入った。攻撃が行われた具体的な日時や侵入経路、攻撃手法、攻撃者の特定については、11月4日付の発表では説明されていない。緊急停止したからといって、ランサムウェア感染やデータの暗号化が起きたと断定することはできない点にも注意が必要だ。
どのサービスが止まっているのか——越境ECは全地域で発送不可
影響が最も大きいのは、「UGXプライム」と「UGX越境EC配送サービス」で、すべての宛先国・地域で発送ができなくなっている。海外のネットショップで買い物をした利用者や、越境EC事業者への影響が大きい。一方、「UGX(通常)」と「UGX Amazon FBA相乗り配送サービス」は、アメリカ・カナダ向けは国際郵便マイページサービスなどで送り状を作成でき、継続して利用できる。ただし英国・豪州・シンガポール向けなど、一部の地域では発送ができない状態だ。利用する前に、日本郵便の案内で自分の宛先が対象かどうかを確認したい。
個人情報の流出は——発表時点では「確認されていない」
日本郵便は、11月4日付の発表時点で、UGXに係る個人情報の流出は確認されていないと説明している。ただしこれは調査時点での説明であり、流出の可能性を完全に否定する確定した調査結果ではない。調査が進めば、新たな情報が公表される可能性もある。復旧時には改めて案内するとしている。

なぜ今、物流のサイバー攻撃が相次ぐのか
今回の事案は、単独の出来事ではない。2026年秋には、佐川急便の「お荷物問い合わせサービス」で最大約5323万件の個人情報が流出した可能性があると公表され、日本郵便でも9月から10月にかけて国際郵便の調査請求Web受付サービスへの不正アクセスが明らかになっている。物流は社会の基盤であり、システムが止まれば荷物が動かなくなる。攻撃者にとって狙いやすい標的になっている現実がある。事業者側の対策とともに、利用者側も「いつ届くか分からない」事態への備えが求められる。
利用者が今すぐ確認すべきこと
UGXで海外発送を予定している人は、まず発送先とサービス種別を確認し、発送不可の場合は復旧を待つか、別の配送手段を検討する必要がある。すでに発送済みの荷物については、追跡情報の更新が遅れる可能性もある。日本郵便は11月10日をめどに復旧する見込みとしているが、これは現時点の見込みであり、状況によって変わる可能性もある。最新の案内は日本郵便の公式発表で確認したい。
まとめ
日本郵便の国際配送UGXは、送り状システムへのサイバー攻撃を受け、一部サービスで発送が停止している。UGXプライムと越境EC配送は全地域で発送不可で、復旧は11月10日がめどだ。個人情報の流出は発表時点では確認されていないが、調査は続いている。海外発送を予定している人は、公式の最新情報を確認してほしい。
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出典:日本郵便の発表、日本経済新聞の報道をもとに編集部が解説。出典リンク:日本経済新聞

