GMOインターネットグループは24日、外国為替証拠金取引(FX)のためのクラウドサービス「お名前.comデスクトップクラウド」が不正アクセスを受けた問題で、顧客情報の外部への流出と不正取引があったことを確認したと発表しました。サービスの全利用者に金銭的な被害の有無にかかわらず一律5000円の見舞金を支払い、不正取引による損失についても補償する方針です。(産経ニュース、サンスポ)
見舞金と損失補償の内容
補償の対象は、同社が不正アクセスに起因すると認めた取引で生じた確定した差損や手数料などで、通常の相場変動による損失や得られたはずの利益は対象外となります。取引所などから返金があった場合は差額を支払い、返金がない場合も認定した損失を補償します。見舞金は補償とは別に支給されます。現行のシステム基盤はそのまま再開せず、Windows環境の継続利用を希望する契約者には別基盤の代替クラウドを6カ月間無償で提供します。見舞金の受け取り手続きなどは30日までに、損失補償の申請方法は11月6日までに案内される予定です。(財経新聞)
攻撃の経緯と金銭要求
同社によると、19日に調査を開始し、20日に不正プログラムを確認、21日午前4時から全プランのサーバーを順次停止しました。攻撃者とみられる者からは金銭の要求に加え、国内外70超の証券・FX会社に開設された利用者口座への不正操作の継続や情報公開、ランサムウェア攻撃などを予告する脅迫を受けたといいます。同社は要求には応じず、通信記録などを警察に提出し、証券会社などにアクセスの遮断と不正取引の監視を求めました。被害の規模は現時点で明らかになっていません。(産経ニュース、財経新聞)
「能動的サイバー防御」の緊急要請とは
GMOは政府に対し、今回の事件を「能動的サイバー防御」の発動第1号の事案と位置付け、攻撃基盤の追跡・遮断・無害化を緊急要請しました。能動的サイバー防御は、サイバー攻撃の兆候を把握し、攻撃元のサーバーへの侵入・無害化などを行う制度で、関連法が10月1日に施行されたばかりです。発動されれば施行後初めての案件となります。政府がどう判断するかは、今後のサイバー防衛の前例を左右する可能性があります。(産経ニュース)
相次ぐ情報流出、問われる企業の備え
情報流出の発表は今月に入って相次いでいます。同じ23日には環境省のメールマガジン登録情報の漏洩の恐れが発表され、19日にはメール配信大手ユミルリンクが約900万件の情報流出の恐れを公表しました。▼関連記事: https://jpnewshub.online/archives/4719
高市早苗首相は23日、政府機関を狙った攻撃が相次ぐ現状について「差し迫った状況」との認識を示しています。▼関連記事: https://jpnewshub.online/archives/4913
今回のGMOの対応は、被害の有無を問わない一律の見舞金と損失補償、そして政府への発動要請という異例の組み合わせとなりました。利用者にとっては、身に覚えのない取引がないか口座を確認し、同社からの案内を待つことが重要です。企業側には、攻撃を受けた後の迅速な公表と補償の姿勢が問われる時代に入ったといえます。
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