米南部ジョージア州アトランタで10月30日、20カ国・地域(G20)外相会合が開幕した。日程は31日までの2日間。エネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡での「航行の自由」の確保や、インド太平洋の海洋安全保障、ロシアによるウクライナ侵略などが主要な議題となる。ルビオ米国務長官は討議の冒頭で、世界でエネルギー供給や航行の自由が脅かされ「経済、地政学的な危機に直面している」と述べたうえで、経済秩序を守るための結束を呼びかけた(共同通信の報道)。
出席者と会合の背景
会合にはルビオ米国務長官やロシアのラブロフ外相、日本の茂木敏充外相らが出席。中国は王毅外相ではなく外務次官が出席すると、AP通信が伝えている。茂木外相は29日、羽田空港からチャーター機で出発。出発に先立つ27日の記者会見では「G20は世界のGDP(名目国内総生産)の約8割を占め、国際情勢や国際経済の安定に重要な役割を担っている。日本の取り組みをしっかり発信したい」と抱負を語った。帰国は11月1日の予定だ。
注目された日ロ外相会談
茂木外相は30日、G20の会合に合わせ、ラブロフ外相と会談し、2国間関係について意見を交わした。日ロ両国の外務省が発表した。ロシア当局が10月13日に北海道新聞の男性記者をスパイ容疑で拘束して以降、日ロの外相が顔を合わせるのは初めての機会となる。在ロシア日本大使館の館員と記者の領事面会は10月26日に実現したが、即時解放の見通しは立っていない。記者解放への働きかけが、今回の接触でどこまで進むかが注目される。

クアッド外相会合も同時に開催
G20に合わせ、31日には日米豪印の協力枠組み「クアッド」の外相会合も開催される。クアッド外相会合は今年5月、7月に続く3回目で、1年に3回開かれるのは初めてとなる。東シナ海・南シナ海で海洋進出を強める中国を念頭に、経済安全保障面での協力の進展を確認する見通しだ。11月中旬には、初のクアッド首脳会合が開かれる予定であることも、ルビオ氏が明らかにしている。
今後の焦点
最大の焦点は、中東情勢の悪化に伴うエネルギー安全保障だ。イランが事実上封鎖するホルムズ海峡の自由で安全な航行をどう確保するかが、各国の足並みを問われる。31日には議長総括が取りまとめられる見込みで、米ロ外相会談が行われる可能性も報じられている。茂木外相は滞在中、同志国や新興・途上国の外相との個別会談も予定しており、日本の外交力を示せるかが問われる。

