半導体メモリーメーカーのキオクシアホールディングスは10月30日、2027年3月期第2四半期(7〜9月期)の決算を発表した。売上高は2兆4800億円、営業利益は約1兆9950億円で、営業利益率は80.4%と過去最高水準を記録した。生成AI向けデータセンター需要の爆発が、業績を一気に押し上げた形だ。
決算の数字を読み解く
主な数字は次の通りだ。売上高:2兆4800億円(前四半期比+40.3%)、営業利益:約1兆9950億円(同+57.1%)、営業利益率80.4%(前年同期は19.2%)、純利益:1兆3557億円(前年同期の33倍)、上半期累計(4〜9月):売上高4兆2471億円(前年同期の5.4倍)、最終利益2兆1978億円(同37倍)。同社は業績好調を受け、上場以来初となる中間配当(1株当たり90円、株式分割前ベース)の実施も決定した。NANDフラッシュメモリーの価格上昇と、AIデータセンター向けの需要増加が主因だと説明している。
「好決算なのに株価は7%超下落」
決算内容は堅調だったが、市場の反応は厳しかった。30日の東京市場の終値は1万3470円(前日比−7.13%)。決算発表は大引け後の18時45分だったため、当日の下落は決算前の警戒感を反映したものだ。背景には、米大手ハイテク企業の決算を受けて米国AI投資への懸念が再燃し、アジア市場が全面安となったことがある。韓国KOSPI指数は一時5%超急落でサーキットブレーカー(サイドカー)が発動され、SKハイニックスも7%超下落した。AI関連株全体への見直し売りが、好決算を待たずにキオクシアを直撃した格好だ。さらに、決算発表後の夜間取引(PTS)では10〜12月期の見通しを受けて、株価は東証終値からさらに約7〜8%下げる場面があった。

10〜12月期見通しは「横ばい」
市場を失望させたのは、10〜12月期の業績見通しだ。同社が示した売上高は2兆5000億円、最終利益は1兆3600億円で、前年同期比ではそれぞれ4.6倍、15倍の大幅増となる。しかし前四半期比では、売上高が+0.8%、最終利益が+0.3%の微増にとどまり、事実上の横ばい。営業利益の見通しも市場予想の2.35兆円を下回った。急成長のペース鈍化が意識され、売り材料となった。
今後の焦点:AI相場の試金石
キオクシアはAIブームを支える「ピックとシャベル」銘柄として、日本市場を牽引してきた。その成長減速を市場がどう織り込むかは、AI関連相場全体の先行きを占う試金石になる。焦点は、11月に相次ぐ米国半導体企業の決算と、NANDメモリー市況の持続性だ。AIデータセンター投資の勢いが続けば再評価の余地はあるが、過熱感への警戒も強い。今後の株価の動きから目が離せない。

