宇宙航空研究開発機構(JAXA)は20日午前4時40分ごろ、火星衛星探査計画「MMX」の探査機を搭載したH3ロケット10号機を、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げました。共同通信が速報で伝えたもので、ロケットは予定の軌道に向けて順調に飛行しているとみられます。
フォボスの砂を採取、2031年に地球へ帰還
MMX(エムエムエックス)は火星の衛星フォボスを目指す探査計画で、地表の砂などの試料を採取して2031年に地球へ持ち帰ることを目指します。成功すれば、世界で初めて火星圏からのサンプルリターン(試料持ち帰り)が実現します。フォボスは有機物や水を含むとみられ、試料の分析によって火星の衛星の起源や、地球に水や有機物がもたらされた経緯の解明が期待されています。JAXAを中心に、アメリカのNASAやヨーロッパのESA、フランスのCNES、ドイツのDLRが参加する国際共同プロジェクトです。
「最強型」H3ロケット、初のロングフェアリング
打ち上げに使われたH3ロケット10号機は、主エンジン2基と固体ロケットブースター4本を備えた「24L形態」と呼ばれる最強型で、探査機を覆う長いフェアリング(ロングフェアリング)が初めて使われました。H3が人工衛星ではなく探査機を打ち上げるのも初めてで、地球の重力圏を脱して火星へ向かうため、第2段エンジンの燃焼時間を延長して秒速約11.2キロまで加速させたとみられます。JAXAの川勝康弘プロジェクトマネジャーは打ち上げ前の記者会見で「準備は万端だ」と意気込みを語っていました。
NHKと共同開発の8K・4Kカメラも搭載
探査機には、NHKとJAXAが共同開発した8Kカメラと4Kカメラが搭載されており、火星圏への往路やフォボスへの着陸の様子などを高精細な映像で記録する計画です。撮影された映像は放送などを通じて広く伝えられる予定で、はやぶさ2に続く日本の深宇宙探査の新たな一歩として注目されています。
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