アメリカで11月3日(米東部時間)、中間選挙の投票が行われる。下院435議席のすべてと上院35議席、36州の知事が改選される。トランプ大統領の2期目で最初で最後の全国規模の選挙であり、共和党が議会の多数派を維持できるかが焦点だ。世論調査では民主党に有利な情勢とされ、下院の奪還が有力視されている。

何が決まるのか——下院435・上院35・知事36
中間選挙では、下院議員435人全員と、上院議員100人のうち35人(通常改選33人+補欠2人)が改選される。補欠選挙の2議席は、副大統領に就いたJ・D・バンス氏と国務長官に就いたマルコ・ルビオ氏の後任を決めるものだ。36州で知事選も行われる。
現在の勢力は、下院が共和党218議席・民主党214議席、上院が共和党53議席・民主党47議席。民主党が上下院の多数派を奪うには、それぞれ純増4議席が必要になる。
投票は11月3日(米東部時間)に行われ、日本時間では4日(水)朝以降に開票速報が伝わり始める見通しだ。11月3日は日本の文化の日(祝日)にあたる。
3つの争点——トランプ氏・生活費・移民
ロイター通信の分析によると、今回の選挙を形作る3つの争点は「トランプ大統領自身」「生活費」「移民」だ。
- トランプ氏:支持率はロイター/イプソスの調査で過去最低の31%に落ち込んだ。それでもトランプ氏は選挙戦の終盤、フロリダやテキサスなどで集会を開き、「自分が投票用紙に載っているつもりで投票してほしい」と支持者に呼びかけている。民主党は「生活費の引き下げや戦争終結の公約を破った」と批判し、議会を握れば政権の監視を強めると訴える。
- 生活費:有権者が一貫して最重要課題に挙げるのが生活費だ。ロイター/イプソスの調査では、登録有権者の半数が投票行動の最重要要因に「生活費」を挙げた。ガソリン価格は全米平均4.28ドルと、前年より1.20ドル高い(AAA調べ)。2月に米・イスラエルがイランを攻撃して以降、エネルギー価格が上昇したことが背景にある。
- 移民:国境警備の強化を掲げるトランプ政権の下、南西部国境での移民の逮捕件数はバイデン前政権比で95%減少した(国土安全保障省の暫定データ)。民主・共和両党が「国境の安全」をめぐり激しく争っている。
予測とシナリオ——下院は民主優位、上院は接戦
選挙予測では、下院は民主党の奪還が有力視されている。著名な選挙予測家チャーリー・クック氏が民主党の下院勝利を「既成事実」と評したとの報道もあるが、慎重な見方も根強い。オハイオ、アラスカ、アイオワ、カンザス、テキサスといった共和党の地盤の州でも民主党が競り合っているという。
上院は接戦で、7つ前後の接戦州の結果が鍵を握る。シナリオ分析では、民主党が下院だけを奪った場合、トランプ大統領は拒否権と大統領令で政策を進めることになる。2027年には債務上限や政府予算をめぐる攻防が予想され、市場や投資家にとって波乱の年になるとの見方もある。上院が50対50の同数になった場合、バンス副大統領の決定票で共和党が多数派を維持する。
日本への影響
中間選挙の結果は、日本にも無関係ではない。トランプ政権の関税政策や外交・安全保障政策の行方、議会との関係がどう変わるかが注目点だ。民主党が議会を握れば、政権への監視が強まり、政策の推進力に影響が出る可能性がある。一方で大統領令による政策遂行が続けば、貿易や規制をめぐる不確実性は残る。
まとめ——「最初で最後」の審判
歴史的に見ると、大統領の党は中間選挙で下院議席を失うのが通例で、1938年以降の22回中20回で議席を減らしている。平均で27議席の減少、2018年のトランプ1期目の中間選挙では41議席を失った。
今回の選挙は、トランプ2期目の「最初で最後」の全国的な審判となる。日本時間4日朝以降に伝わる開票速報が、米国の今後2年と日米関係の行方を占うことになる。
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