北朝鮮が29日、東部・元山(ウォンサン)付近から日本海に向けて短距離弾道ミサイル十数発を発射した。韓国軍合同参謀本部が同日発表し、日本の防衛省も発射を確認した。日本の排他的経済水域(EEZ)の外、朝鮮半島東岸付近に落下したとみられ、船舶や航空機への被害は確認されていない。北朝鮮による弾道ミサイルの発射は今月12日以来となる。翌30日には北朝鮮メディアが、金正恩(キム・ジョンウン)総書記の出席のもと、無人機や超大型放射砲による軍事デモンストレーションが行われたと報じ、緊張が一段と高まっている。
発射の詳細 —— 十数発が約250キロ飛行
防衛省によると、発射は29日午後0時36分頃。韓国軍の発表では、短距離弾道ミサイルなど十数発が北朝鮮東部・元山付近から日本海に向けて発射され、約250キロ飛行したという。海上保安庁も、弾道ミサイルとみられる物体について「すでに落下したとみられる」と発表し、船舶に警戒を呼びかけた。
北朝鮮は今月12日にも、平壌付近から日本海に向けて弾道ミサイル数発を発射。このうち一部は900キロ以上飛行したと韓国軍が分析し、北朝鮮メディアは「戦術弾道ミサイルの試験発射だった」と主張していた。
今回の発射は、韓国側が南北の境界地域での緊張緩和に向けた軍事協議を提案してから、1週間足らずでのタイミングだったことも注目される。
政府の対応 —— 「断じて容認できない」
高市首相は発射を受け、関係省庁に対し、情報の収集と分析に全力を挙げるとともに、国民への迅速で的確な情報提供を行うよう指示した。
木原官房長官は29日の記者会見で、「我が国と国際社会の平和と安全を脅かすもので、断じて容認できない」と述べ、北京の大使館ルートを通じて北朝鮮に抗議したことを明らかにした。
金正恩氏、無人機と放射砲の軍事示威に出席
北朝鮮メディアは30日、同国の無人航空機の展示会が29日に開かれ、各種無人機の攻撃や超大型放射砲(多連装ロケット砲)の発射による軍事デモンストレーションが行われたと報じた。金正恩総書記が出席し、「平和は力でのみ担保される」と演説したという。
公開された写真によると、放射砲は少なくとも15発を連続発射した。日米韓はこの兵器を弾道ミサイルと見なしている。自爆用無人機の攻撃や、飛行中の無人機からのミサイル発射も行われたという。
今後の焦点
韓国軍は「追加発射の可能性に備え、監視と警戒を強化している」としている。日本政府は発射の意図や今後の動向について情報収集と分析を続け、日米韓で緊密に連携する方針だ。一連の示威行動が地域の安全保障環境にどのような影響を与えるのか、注目が集まっている。

