外務省は26日、ロシア当局がスパイ容疑で拘束した北海道新聞ユジノサハリンスク支局の男性記者について、同日在ロシア日本大使館員による領事面会を実施したと発表しました。面会した大使館員は記者の健康状態に問題がないことを確認したということです。外務省は「今後もロシア政府に対し、邦人の即時解放、人道的配慮、公正・公平な取り扱いを強く求めていく」と強調しました。(時事通信、共同通信、産経新聞、日本経済新聞、ロイター)
拘束から13日後、初めての面会
ロシア連邦保安局(FSB)は13日、極東サハリン州で記者を拘束したと発表し、記者をモスクワに移送しました。裁判所は2カ月の勾留を認めています。FSBは、記者がクリール諸島(北方領土と千島列島)からウクライナ侵攻に動員された兵士や志願兵の人数に関する情報を収集・保管していたと主張しています。スパイ罪は有罪になれば最長20年の禁錮刑を科される恐れがあります。
日ソ領事条約の「4日以内」は守られず
1967年に日本と当時のソ連の間で発効した日ソ領事条約は、相手国の国民を拘束した場合、4日以内に外交官による領事面会を行えるよう規定しています。ロシア側は15日に拘束の事実を伝達する領事通報を行いましたが、面会には応じてきませんでした。外務省の中村仁威欧州局長が20日にモスクワでロシア外務省幹部と会談しても面会は実現せず、16日には大使館幹部がモスクワ東部のレフォルトボ拘置所を訪れたものの面会を認められませんでした。日本政府はこれまで、早期の面会と即時解放を繰り返し求めてきました。
背景 冷え込む日ロ関係の中で起きた拘束
日本とロシアの関係は、ロシアのウクライナ侵攻以降、大きく冷え込んでいます。北方領土問題も未解決のまま、対話のチャネルは細っています。こうした中で起きた今回の記者拘束は、報道の自由と邦人の安全という二つの面で日本政府の懸念を呼んでいます。時事通信は26日、ロシアが夏に日本領事館員を標的としていたとみられるとも報じており、日ロ間の緊張の高まりがうかがえます。
なぜこの面会が重要なのか 今後の焦点
13日越しに実現した領事面会は、記者の健康状態を直接確認できたという点で一歩前進です。しかし、解放には至っておらず、面会の詳細は明らかにされていません。次回の面会の見通しについて大使館は「予断を持って答えられない」としており、勾留期限とされる12月12日までに事態がどう動くかが焦点となります。北海道新聞の選任弁護士による記者との面会は、領事面会とは別に行われる見通しです。日本政府は引き続き即時解放を求める方針で、国際社会への働きかけも含めた対応が注目されます。
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