訪日客の免税制度、きょうから「返金方式」に——店頭では税込み価格、約74年ぶりの大改革

空港の税関カウンターで免税手続きをする外国人旅行者と荷物のイメージ

訪日外国人向けの消費税の免税制度が、きょう11月1日から「リファンド(返金)方式」に変わりました。これまでは免税店の店頭で消費税を抜いた価格で買い物ができましたが、これからは税込みの価格で支払い、出国の際に税関で手続きをして消費税分が返金される仕組みになります。毎日新聞は、制度の抜本的な改革は約74年ぶりだと伝えています。

何が変わった? 新旧の制度を比較

国税庁と観光庁の説明をもとに、変わるポイントを整理します。

店で支払う価格

これまでは、免税店でパスポートを提示すれば消費税抜きの価格で購入できました。きょうからは、税込み価格での支払いが基本になります。

消費税が戻るタイミング

これまでは購入時に免除されていましたが、新しい方式では出国時の税関確認の後に返金されます。購入日から90日以内に出国し、空港や港の税関で購入品の持ち出しが確認されることが条件です。返金はクレジットカードなどへの振り込みが基本で、現金で購入した場合も対象になります。

下限額と上限額

下限額は変わらず、同じ店舗で1日に税抜き5,000円以上の購入が対象です。一方、これまで同じ店舗で1日50万円までだった消耗品の免税上限は撤廃され、出国時に自分で持ち出せる量まで免税の対象になります。朝日新聞は、計算の上では訪日客の負担額自体は変わらないと説明しています。

手続きの流れ

出国時に空港や港の端末にパスポートをかざします。判定によってはそのまま確認が終わり、場合によっては税関の検査を受けます。免税店での免税カウンターに並ぶ手間は省けると期待されています。

空港の出国エリアにあるセルフ式の免税確認キオスクとパスポートをかざす旅行者のイメージ

なぜ変えたのか 背景にある「免税品の転売」

制度変更の大きな狙いは、免税品の不正転売を防ぐことです。テレビ朝日系の報道によると、国税庁の担当者は「税抜きで買った商品を国外に持ち出さず、国内で転売する事例があった」と説明しています。報道によると、1億円以上の免税購入者57人を調べたところ、56人の商品の持ち出しを確認できず、滞納額は約18億5,000万円に上ったとされています(報道ベースの情報です)。

免税店での手続きが簡素だったことが不正の温床になっていたとの指摘があり、今回の改正では「持ち出しを確認してから返金する」方式に切り替えられました。欧米などでは同様のリファンド方式が一般的で、日本の制度も国際的な標準に近づく形となります。

店舗側の対応も動き出す

きょうの制度開始に合わせて、小売店側の対応も始まっています。ラオックス銀座本店では11月1日から、グローバルブルーの「リファンドKIOSK端末」2台を導入し、パスポートとクレジットカードを使ったセルフ式の市中リファンド手続きが可能になりました。読売新聞は10月下旬、銀座の松屋銀座で従業員が訪日客に新制度を説明する様子を伝えています。

訪日客と観光への影響は

訪日客にとっては、買い物の際にいったん税込みで支払う必要があるため、店頭での支払額が高くなる点に不安の声もあると読売新聞は報じています。一方で、免税カウンターに並ぶ手間がなくなる利便性の向上も期待されています。

観光庁は8月、新方式と店舗でのパスポート確認の継続について説明する更新情報を公表しています。制度の移行期だけに、訪日客も店舗も新しい手続きに慣れるまで少し時間がかかりそうです。

(参考:読売新聞、国税庁、観光庁、毎日新聞、朝日新聞、日本政府観光局)

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