9月15日に鳥取県沖の日本海で墜落した航空自衛隊の大型無人偵察機「グローバルホーク」をめぐり、機体の捜索・回収作業が報じられています。9月20日には鳥取県北栄町の海岸に漂着した機体の一部が回収され、25日には鳥取沖の海底で機体が発見されて引き揚げに向けた作業が進められていると伝えられています。(時事通信、NHK、TBS NEWS DIG、読売新聞)

事故の経緯|三沢離陸からわずか3分で消息を絶つ
当該機は9月15日午前10時20分ごろ、青森県の三沢基地を離陸しました。報道によると、この飛行は訓練ではなく任務飛行だったとされています。離陸から約2時間半後の午後0時55分以降、通信装置との接続不良が発生し、わずか3分後の午後0時58分ごろ、鳥取県沖の北およそ50キロの公海上空でレーダーから航跡が消えました。
約1時間20分後、海上保安庁の巡視船が海上で機体の一部とみられる浮遊物を発見。航空自衛隊は救難捜索機や海上自衛隊の艦艇が撮影した写真をもとに、9月16日に同機が墜落したと発表しました。船舶などへの被害は確認されていません。
捜索と回収の経過
墜落の発表後、空自は現地に調査団を派遣し、海域と沿岸部での捜索を開始しました。9月19日朝からは、島根県松江市の瀬崎漁港から鳥取県岩美町にかけての海岸線で、徒歩やヘリコプター、ドローンによる捜索も始まりました。
9月19日には鳥取県北栄町の海岸で、通行人から「航空機の一部とみられる漂着物がある」との通報がありました。場所は道の駅「大栄」から北に約100メートルの海岸で、大きさは縦約1.5メートル、横約1.4メートル。空自が調べたところ、墜落したグローバルホークの一部と確認され、9月20日に回収が発表されました。機体のどの部分かは明らかにされていません。
さらに9月25日には、鳥取沖の海底で機体が発見され、近く引き揚げられると報じられました(時事通信)。原因究明に向けて、機体の回収が重要な意味を持ちます。

グローバルホークとは
グローバルホーク(RQ-4B)は米国製の大型無人偵察機で、全長約15メートル、翼幅は約40メートルに及びます。最高時速約570キロで巡航し、地上からの無線操縦で約36時間の連続飛行が可能。日本周辺での情報収集や警戒監視を担っています。
航空自衛隊は2022年から三沢基地での配備を始め、計3機を保有しています。1機あたりの調達費用は約170億円に上ります。日本でグローバルホークが墜落したとされるのは今回が初めてで、国内では前例のない事態となりました。なお、この機体にはフライトレコーダーが搭載されていなかったことも明らかになっています。
防衛省などによると、機体は通信が途絶した場合でも自律飛行が可能とされており、何らかの原因で正常に機能しなかった可能性があるとみられています。原因の特定には、機体の物理的な分析が欠かせません。
漂着物を見つけたら|触らずに連絡を
自衛隊は、機体の一部とみられる漂着物などを見つけた住民らに対し、近づいたり触れたりせず、美保基地の担当部署に連絡するよう呼びかけています。事故機の部品には危険が伴う可能性があるため、見つけても拾わず、まずは連絡することが大切です。
原因究明の焦点と残る課題
今回の事故で注目されるのは、日本でグローバルホークの墜落とされる事例が初めてだという点です。2022年から2023年にかけて3機が納入されて以来、大きな事故は起きていませんでした。前例のない事態だけに、原因の特定には時間がかかる可能性も指摘されています。
また、墜落現場が公海だったことも回収を難しくする要因とされています。領海内であれば引き揚げも比較的容易ですが、公海上の相応の水深からの回収は簡単ではありません。航空機事故の原因究明では残骸の物理的な分析が決定的な意味を持つため、機体の回収状況が今後の焦点となります。
さらに、空自が保有する3機のうち1機を失ったことで、日本周辺を24時間見張る警戒監視体制への影響も懸念されています。残る2機での運用をどう維持するのか、防衛省の対応も注目されます。

まとめ
9月15日の墜落から、鳥取沖では機体の捜索・回収作業が報じられています。9月20日の機体一部の回収に続き、25日には海底で機体が発見され、引き揚げに向けた作業が進められていると伝えられています。約170億円の装備の損失もさることながら、3機しかない警戒監視の「目」の1機を失った影響も注目されます。原因究明の進展に引き続き注目しましょう。この記事が役に立ったらシェアして、関心のある方にも知らせてあげてください。

