大阪地検元トップの性的暴行事件、約2年ぶりに審理再開 一度は認めた起訴内容を一転「無罪」主張へ

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酒に酔って抵抗できない状態の部下の女性検事に性的暴行を加えたとして、準強制性交罪に問われている元大阪地方検察庁検事正の北川健太郎被告(67)の第2回公判が、10月27日に大阪地裁で開かれます。2024年10月の初公判から約2年ぶりの法廷審理で、罪状認否からやり直される、事実上の「初公判」となります。被告側は無罪を主張する方針です。(NHK、朝日新聞、時事通信、産経新聞、FNN)

2018年の懇親会後、官舎での行為として起訴

北川被告は、大阪地検の検事正だった2018年9月、複数の部下らとの懇親会の後、参加していた女性検事を大阪市内の官舎に連れ込み、酒に酔い抵抗できない状態の女性に性的暴行を加えたとして起訴されました。検察のトップを務めた人物が、部下への性暴力の罪に問われるという異例の事件として注目を集めました。北川被告は2024年6月に逮捕され、同年10月の初公判では「争うことはしません」と起訴内容を認め、「深刻な被害を与えたことを深く反省しています」と謝罪していました。

謝罪から一転、2カ月後に無罪主張へ

ところが同年12月、弁護人が記者会見を開き、方針転換を明らかにしました。弁護側の説明によると、北川被告は女性が抵抗できない状態だったとの認識はなく、同意があったと思っていたため「犯罪の故意がない」として無罪を主張するといいます。一度は罪を認めて謝罪した被告が、なぜ主張を翻したのか。弁護側は「自分が罪を認めることで、これ以上検察庁に迷惑をかけたくないと思っていたが、方針が誤っていたと思うようになった」と説明しています。

なぜ2年間、審理が止まったのか

主張の転換後、争点や証拠を整理する非公開の手続きが続き、公判の日程が決まらない状態が約2年間続きました。FNNによると、被告側の証人として出廷予定だった副検事の出廷が取りやめられたことが、日程決定のきっかけになったといいます。この副検事は、被害女性が被害者であることを周囲に言いふらしたとして、被害者のプライバシー情報を第三者に伝えた言動が問題視され、戒告の懲戒処分を受けていました。

被害を訴える女性は検察を去った

被害を訴える元検事の女性は、事件によって心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断されたと報じられています。女性は、検察組織に対する第三者による調査を求めていましたが受け入れられず、2026年8月に検察庁を退職しました。検事の仕事を愛していたと辞表につづった女性が、被害者として法廷に臨み、約2年ぶりに被告と向き合うことになります。今後の審理では、女性が証言に立つ機会も予定されています。

背景 検察組織への信頼が問われる事件

この事件が重く受け止められるのは、法を守る側のトップが、法廷で裁かれる立場に立ったからです。検察は、被害者の訴えをどこまで真摯に受け止め、組織の不祥事にどう向き合うのかを問われ続けています。被害女性が第三者調査を求めた背景にも、身内の組織による調査への不信感があったとみられます。検察の信頼回復は、判決の内容だけでなく、審理の過程がどれだけ公正で透明に進むかにかかっています。

なぜ今、この再開が重要なのか

27日の公判では、まず被告側が無罪主張の理由を自らの言葉でどう説明するかが焦点となります。争点は、女性が抵抗できないほど酒に酔っていたのか、そして被告が同意があったと思うような状況があったのかという2点に絞られます。大阪地裁は、来年2月15日に結審し、2027年3月12日に判決を言い渡す予定で、計10回の審理が組まれています。一度認めた罪をめぐる異例の展開が、どのような結論に至るのか。被害者の声と被告の主張の双方が法廷でどう吟味されるのか、今後の審理が注目されます。

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