ウクライナのゼレンスキー大統領は10月31日、トルコのイスタンブールを訪れ、エルドアン大統領と会談する。トルコ大統領府のブルハネッティン・ドゥラン広報局長が30日に発表した。議題はロシア・ウクライナ戦争や黒海の安全保障、両国の協力の深化。ゼレンスキー氏は「トルコで重要な交渉が行われる」と述べ、11月の和平協議に向けた動きとして注目される。
会談の概要
発表によると、ゼレンスキー氏はエルドアン大統領の招きによるワーキングビジットとして31日にトルコを訪問する。イスタンブールでの会談では、トルコとウクライナの二国間協力の深化に向けた方策に加え、ロシア・ウクライナ戦争と黒海の安全保障を中心に、地域および国際情勢が話し合われる予定だ。
エルドアン大統領は、イスタンブールのドルマバフチェ・オフィスでゼレンスキー氏を迎え、会談後に共同記者会見を開くとしている。トルコ大統領府は、合意文書の有無など具体的な成果については事前に明らかにしていない。
背景にある11月の和平交渉への動き
ゼレンスキー氏は毎晩のビデオ演説で、「トルコで重要な交渉が行われる」「あらゆる外交機会が追求されるよう取り組んでおり、11月には長らく議論されてきた交渉の形式に向けて進むことができると期待している」と述べたと、ロイターなどが報じた。
ゼレンスキー氏は10月28日、オランダ・ハーグでの会見で、ウクライナ・ロシア・米国の交渉担当者による3者協議を11月6日から10日にかけてアブダビで開きたいとの考えを示したが、日程は確定していないとしている。トルコ側は、イスタンブールでロシア側を交えた新たな交渉ラウンドが設定されるかについては言及しておらず、今回の会談が直接の和平交渉となるかは未確認だ。

9月の国連総会に続く接触
両首脳は9月23日、ニューヨークでの国連総会の合間にもトルコ政府代表部の建物で会談し、黒海の安全保障やウクライナの海上輸出回廊の維持について協議した。トルコは2022年の侵攻開始以降、ロシアとウクライナの間の交渉を複数回仲介してきた実績がある。
エルドアン大統領は10月28日と29日、トランプ米大統領と相次いで電話で協議。トルコはウクライナとロシアの外交プロセス再開に貢献する用意があると伝えたとされる。今回のゼレンスキー氏訪問は、こうした一連の外交の流れの中で行われる。
なぜ注目されるのか
黒海の航行の安全は、ウクライナの穀物輸出だけでなく、世界の食料・エネルギー供給にも直結する重要課題だ。11月の協議に向けた前哨戦として、今回の首脳会談でどのような合意や発信があるかが焦点となる。会談後の共同記者会見では、交渉の行方を占う発言が出る可能性もあり、注目が集まっている。

