パナソニックホールディングス(HD)は10月30日、2027年3月期(2026年度)の連結業績予想を上方修正しました。AI(人工知能)の急速な普及を背景に、データセンター向けの蓄電池や電子部品の販売が予想を上回って堅調に推移しているためです。最終的なもうけを示す純利益は従来予想から900億円増の5400億円とし、営業利益とともに過去最高を更新する見通しです。AIインフラ需要が、日本の大手電機メーカーの業績を大きく押し上げています。
上方修正は今期2度目 —— 数字で見る変化
上方修正の内容を数字で見てみましょう。売上高は従来予想の7兆8000億円から6000億円多い8兆4000億円(前期比4.4%増)へ。本業のもうけを示す営業利益は今年7月時点の5900億円から1200億円多い7100億円(前期の3倍)に、最終利益(純利益)は4500億円から900億円多い5400億円(同2.8倍)にそれぞれ引き上げられました。いずれも過去最高を更新することになります。
上方修正は今期に入って2度目で、AI関連需要の強さを裏付けています。
上期決算も絶好調 —— 営業利益は過去最高を更新

30日に発表された2026年9月中間連結決算(国際会計基準)も好調でした。売上高は前年同期比7.1%増の4兆925億円、本業のもうけを示す営業利益は2.2倍の3632億円で中間期として過去最高を更新。純利益も94.5%増の2769億円に拡大しました。
AIインフラ関連の事業が好調で、データセンター向けの蓄電池や電子部品の販売が堅調だったことが寄与しています。7〜9月期の売上営業利益率も、前年同期の4.1%から8.7%へ大幅に改善しました。
データセンター向け電子部品に920億円投資
同日、パナソニックHDはデータセンター需要の拡大を受け、電子部品などの増産に約920億円を投資することも発表しました。AIの普及拡大に伴って旺盛な需要が続くとの見通しに基づくもので、生産体制の強化を急ぐ構えです。
このところ、AI関連の決算では村田製作所の大型投資計画など、日本の電機・電子部品メーカーの「AI特需」が相次いでいます。パナソニックの今回の発表も、AIインフラ需要が日本の製造業全体に広がっていることを示す象徴的なニュースと言えそうです。
株主還元も拡大 —— 配当は70円に増額
業績好調を受け、今期の年間配当も従来計画の54円から70円(前期は40円)に増額修正しました。AI特需の恩恵は、株主への還元にも広がっています。
今後の注目点 —— AI需要は「一時的」か「構造的」か
今後の焦点は、AI関連需要の持続性です。会社側はデータセンター需要の拡大を中長期のトレンドと見ていますが、世界的なAI投資の過熱感への懸念も出ています。増産投資が実を結び続けるか、下期以降の業績動向に注目が集まります。

