フランス各地で10月31日、物価高対策や教育環境の改善を求める抗議デモが行われ、フランス当局によると全国で32万人が参加した。10月17日に始まった大規模デモは今回で3週連続となり、隣国ドイツにも波及している。一部では治安当局との衝突が発生し、560人以上が拘束された。
32万人が参加、パリでは火炎瓶で衝突も
共同通信によると、パリでは約7万人が集結した。一部が石や火炎瓶を投げて警官隊と衝突し、負傷者が出た。読売新聞によると、警官ら5人が負傷したという。
フランス内務省によると、パリや南東部リヨンなど複数の都市で衝突が発生し、同日夜時点で約560人(共同通信は561人)が拘束された。当局は全国で警官隊ら7万人を配備して警戒に当たった。
ヌニェス内相は、警官隊への「数百人規模の極めて激しい襲撃があった」とした上で、警官隊に火炎瓶を投げたことについて「殺人未遂に当たる」と厳しく非難した(共同通信)。
デモはおおむね平穏に実施されたが、読売新聞によると内務省は各地で「過激派」が商店などの略奪を試みたものの、治安当局が阻止したとしている。パリのデモに参加した47歳の女性は「政府に声が届くまでデモを続けねばならない」と訴えた。
パリのデモは当初、中心部で実施する予定だったが、警察の指示で場所を変更し、周縁部で行われた。参加者は「教育に予算を」「生活費が高すぎる」などと書かれたプラカードを手に行進し、マクロン大統領の辞任を求めるシュプレヒコールも上がったという(共同通信)。

ドイツにも波及——フランクフルトで商店略奪
読売新聞によると、ドイツでも同日、30以上の都市で若者らによるデモがあり、主催者によると約10万人が教育環境の改善や徴兵制への反対を訴えた。
産経新聞によると、ドイツ公共放送ZDFは約30都市にデモが広がり、首都ベルリンでは約5000人が参加したと報じた。西部フランクフルトでは一部の暴徒が商店を略奪し、約30人が身柄を拘束されたという。
ドイツのデモは若者団体の呼びかけで始まり、教育改革を求めるフランスの学生デモに連動したものだという(産経新聞)。
3週連続——背景にある物価高への不満
今回の全国デモは10月17日から続いている。産経新聞によると、17日のデモは55万人が参加し、商店略奪や市役所への放火が横行した。政府は24日以降、全国で7万人の警官を配備し、一部ではデモ実施を禁止するなど厳戒態勢を敷いている。
共同通信は「国民の不満は渦巻いており、抗議活動の収束は見通せない」と伝えている。背景には、生活費の高騰や教育予算への不満があり、デモの参加者も「生活費が高すぎる」と訴えている。
物価高は日本でも深刻な問題となっている。帝国データバンクの調査によると、11月は食品・飲料1477品目の値上げが予定され、前年の約10倍の規模だ(関連記事: https://jpnewshub.online/archives/5195)。ヨーロッパの混乱は、対岸の火事ではない。
今後の焦点
フランス政府が物価高対策や教育予算の拡充で具体策を示せるか、そして3週連続となった抗議活動が収束に向かうのかが焦点だ。ドイツへの波及がどこまで広がるかにも注目が集まっている。

