特急列車がヒグマと衝突し、一部の区間で運転を見合わせていたJR宗谷線について、JR北海道は復旧作業が終わったとして、11月4日からすべての区間で運転を再開すると発表した。NHKが11月3日16時51分に伝えた。10月30日夜の事故から5日、北海道北部の重要な路線がようやく通常の運行に戻る。

事故は10月30日夜、天塩中川〜問寒別間
事故が起きたのは10月30日午後10時50分ごろ、宗谷線の天塩中川駅(北海道中川町)と問寒別駅(北海道幌延町)の間だった。旭川発・稚内行きの特急サロベツ3号(4両編成)がヒグマと衝突し、クマが車両の下に巻き込まれたことで、先頭車両の1軸目の車輪が進行方向右側に脱線したことが、翌31日の調査で確認された。
乗客32人と乗員2人にけがはなかったが、安全確認が夜明けまで行えなかったため、乗客は車両内で一夜を過ごし、31日午前6時30分ごろからの調査の後、タクシーで目的地へ向かった。国の運輸安全委員会の調査も入っており、現場保全のためクマの除去もすぐには行えない状況だったと報じられている。
音威子府〜稚内間が終日運休、代行バスで対応
事故の影響で、宗谷線は音威子府駅と稚内駅の間で終日運転見合わせとなり、旭川と稚内の間ではバスによる代行輸送が行われた。JR北海道は11月1日夕方、復旧作業のめどが立ったとして11月3日の始発から運転を再開すると発表していた。
再開が1日延びた理由——脱線車両の空気バネに不具合
ところが、2日正午ごろの車両点検で、脱線した台車に搭載している、空気で車体を支える「空気バネ」に不具合が見つかり、エア漏れしていることが判明した。エア漏れがあるとブレーキに不具合が生じるおそれがあるため、処置に時間を要し、3日も音威子府〜稚内間は終日運転見合わせとなった。3日は特急6本と普通列車9本の合わせて15本が運休し、およそ400人に影響が出る見通しだった。

4日からの再開と、利用時の注意点
JR北海道はその後、復旧作業が終わったとして、4日からすべての区間で運転を再開すると発表した。利用する際は、出発前にJR北海道の公式ウェブサイトの列車運行情報を確認することが大切だ。事故の詳細な原因については運輸安全委員会の調査結果を待つ必要があり、現時点で原因を断定することはできない。
ヒグマと鉄道——北海道が抱える課題
今回の事故は、クマとの衝突で列車が脱線した珍しいケースとして報じられ、運輸安全委員会も「過去にはなかった珍しいこと」との趣旨のコメントをしたと伝えられている。北海道ではヒグマの出没が各地で問題となっており、線路沿いの安全対策と野生動物との共存は、鉄道事業者にとっても地域にとっても大きな課題だ。夜間の走行や、ヒグマの出没が報告されている地域では、最新の情報に注意することが求められる。
まとめ
JR宗谷線は、10月30日夜のヒグマ衝突による特急の脱線で音威子府〜稚内間が運休していたが、車両の不具合による1日の延期を経て、11月4日から全区間で運転を再開する。乗客・乗員にけががなかったことは不幸中の幸いだった。再開後も、公式の運行情報を確認して利用したい。
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(出典:NHKニュース、TBS NEWS DIG、北海道ニュースUHBなどの報道とJR北海道の発表をもとに編集部が解説)

