GMOインターネットグループを狙った一連の不正アクセスを巡り、攻撃側に北朝鮮系のハッカー集団がいる可能性が高いとGMO側が分析していることが11月1日、関係者への取材で分かった。共同通信が報じた。マルウェア(悪意あるソフト)の特徴など、攻撃者の複数の痕跡から判断したとみられる。GMOは政府側に報告したもようで、真相解明が今後の焦点となる。
複数の痕跡から浮上した「北朝鮮」の影
関係者によると、GMOは攻撃を受けたサービスへの通信ログなどの特徴を確認したという。共同通信もセキュリティー関係者の協力を得て解析した結果、「犯行声明」を掲載したサイトの公開直後に接続していたIPアドレスのうち5つが、過去に北朝鮮のハッカー集団が使用していたものと一致したという。
犯行声明を掲載したサイトには、米国や日本など複数の国に関わる痕跡があった。専門家は、海外の情報を混在させることで調査をかく乱しようとした可能性があると指摘している。攻撃者が10月27日にネット上で声明を公開したとみられることも分かっている。
ただし、現時点で北朝鮮の関与が確定したわけではない。GMO側の分析は「可能性が高い」との段階であり、今後の捜査機関による解明が待たれる。断定的に報じることには注意が必要だ。
子会社で4万5030人分の個人情報漏えいも判明

同じ1日、GMOの子会社で認証事業を手がけるGMOグローバルサインは、法人向けのID管理サービス「GMOトラスト・ログイン」で、顧客企業などの個人情報少なくとも4万5030人分(2492社)が漏えいしたと発表した。共同通信、TBS NEWS DIG、毎日新聞が伝えた。
発表によると、サービスのロゴ画像などを提供するため外部から閲覧できるようにしていた記憶装置(ストレージ)内に、本来は置くべきではなかった個人情報を含むファイルが保管されていた。設定ミスが原因とみられ、ファイルは2017年11月から2026年9月15日までの約9年間、外部から閲覧や取得ができる状態だったという。
漏えいは9月14日に外部のセキュリティー研究者からの指摘で発覚した。関連会社の調査では、少なくとも2021年6月以降、第三者が情報を取得していたことが判明。それ以前については記録が残っておらず、確認できていないという。漏えいしたのは氏名やメールアドレス、所属、社員番号、連携するサービス名などで、パスワードやクレジットカードなどの決済情報は含まれていない。10月30日時点で、漏えいによる二次被害の報告は確認されていないとしている。
GMOを巡っては10月にも、傘下の別企業が提供する外国為替証拠金取引(FX)関連のサービスが不正アクセスを受けたことが判明している。
あす2日に熊谷社長が初の記者会見、政府も緊急対策へ
一連の問題発生以降、初めてとなる記者会見を11月2日に開き、熊谷正寿会長兼社長が経緯や判明した事実関係、顧客への対応、今後の方針などを説明する見通しだ。
GMOは、サイバー攻撃に先手を打って被害を防ぐ「能動的サイバー防御」の適用を政府に緊急要請している。政府も、GMOのほか相次ぐ大規模な情報漏えいを受け、今週内をめどに緊急対策パッケージを取りまとめ、公表する予定だと毎日新聞が伝えている。
なぜ注目すべきか
国家の関与が疑われるサイバー攻撃は、単なる企業の情報漏えいを超えた安全保障上の問題だ。日本企業を狙った攻撃に北朝鮮系ハッカーの影が確認されれば、外交問題に発展する可能性もある。2日の記者会見でどこまで事実関係が明らかになるのか、そして政府の緊急対策パッケージの中身がどうなるのか。サイバー攻撃に対する日本の備えが問われる局面だ。
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