イラン最高指導者が軍に「即時かつ強力な反撃」を指示——米中間選挙後の攻撃再開が焦点、カタールでの仲介協議は継続

交渉のテーブルで握手する外交官のイラスト

アメリカによるイランへの攻撃再開が取り沙汰される中、イランの最高指導者モジタバ・ハメネイ師は10月31日の声明で、革命防衛隊らに対し、アメリカやイスラエルからの「あらゆる脅威」に「地理的な制限なく直ちに」反撃するよう指示した。一方でイランは仲介国カタールで戦闘終結に向けた協議を続けており、緊張と外交が交錯した状況が続いている。NHKやロイター、TBSなどが伝えた。

仲介協議の経緯

イランのアラグチ外相は10月31日、戦闘終結に向けた仲介国との協議のため、代表団をカタールに派遣したと述べた。米ニュースサイト「アクシオス」の報道によると、カタールの交渉担当者は10月30日にテヘランで12時間以上にわたって協議し、その間もホワイトハウスと連絡を取り合っていたという。ロイターによると、31日にはドーハでカタールの仲介担当者との協議が行われ、米政府とも定期的に連絡を取りながら調整が進められている。

また、アラグチ外相はアメリカのバンス副大統領から対話を呼びかける書簡が届いたことを明らかにし、「前向きな一歩だ」と評価した。

なぜ緊張が高まっているのか

複数のアメリカメディアは、ドナルド・トランプ大統領が11月3日に行われる中間選挙の後に、イラン攻撃を指示する可能性があると報じている。こうしたなか、マルコ・ルビオ米国務長官は10月31日、トランプ大統領はイランへの新たな攻撃に踏み切るかどうかをまだ決めておらず、外交的な解決を望んでいると述べた。軍事行動が必要になれば実行する能力があるという自信も示しているとした。

核開発をめぐるけん制

イランの最高安全保障委員会(SNSC)のレザイ事務局長は、再び攻撃を受けた場合に核兵器の製造・保有を禁じるとしてきた方針を維持するかどうかについて「議論が行われている」と述べ、アメリカ側をけん制した。ただ、決定は下していないとも述べたという。一方、イラン軍は湾岸の沿岸部やホルムズ海峡とオマーン湾周辺などで高い即応態勢を取っていると表明している。

夕暮れの海峡を航行するタンカーのイラスト

今後の焦点

当面の焦点は11月3日の中間選挙の結果と、それに続く米政権の判断だ。ホルムズ海峡の航行の自由をめぐっては、先に閉幕したG20外相会合でも強調されており、エネルギー市場への影響も懸念される。交渉が再開するのか、戦闘が再開するのか——。カタールを介した水面下の動きが、世界の耳目を集めている。

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