国家安全保障戦略など安保関連3文書の年内改定に向けた政府の有識者会議は、12月上旬に報告書を取りまとめ、高市早苗首相に提言する方向で調整に入りました。当初は11月中の取りまとめを目指していましたが、先送りする方針です。報告書では防衛費の増額に伴う防衛増税が焦点の一つとなる見通しです。(毎日新聞、共同通信、産経ニュース)
減税と増税の「同時議論」を警戒
先送りの背景には、飲食料品の消費税減税関連法案の国会審議への影響を考慮した事情があるとみられます。減税法案の審議中に防衛費増額につながる報告書が取りまとめられれば、減税と増税が同時に議論される形となり、野党から追及されかねないためです。官邸筋は「消費税減税の審議中に防衛費の大幅増額につながる報告書が出てくれば、財政悪化への懸念が増幅されかねない」と警戒しています。野党が減税財源と併せて防衛財源を示すよう追及を強める展開も想定されます。(毎日新聞、共同通信)
防衛費の増額幅と財源が最大の焦点
今回の3文書改定では、防衛費の増額幅や財源の確保策が最大の焦点となります。自民党は6月にまとめた政府への提言で、国内総生産(GDP)比3%を目指すオーストラリアなど各国の動向を列挙しました。2026年度のGDP比で3%とすれば総額は約20兆円に達し、5年間で約43兆円とする現行計画に比べて大幅な増額となります。有識者会議は今月27日に5回目の会議を開催し、「防衛と経済」や防衛費財源を主要テーマに議論する見通しです。これまでの会合では、出席者から防衛費増額に関し、財政健全化や国際市場の信認に留意すべきだとの指摘が出ています。(毎日新聞、共同通信、産経ニュース)
現行目標はGDP比2%
現行の国家安全保障戦略は、防衛費を関連経費と合わせて国内総生産(GDP)比2%とする目標を掲げています。報告書の取りまとめが12月上旬にずれ込むことで、年内の改定に向けたスケジュールはタイトになります。政府は減税法案の審議状況を見極めながら、提言のタイミングを調整する考えです。(共同通信、産経ニュース)
▼関連記事
自民・維新、安保3文書改定へ11月に実務者協議 非核三原則と原潜保有で温度差 https://jpnewshub.online/archives/4768


One Comment on “安保3文書の提言、12月に先送りへ 減税と増税の同時議論を回避、政府が影響考慮”